あまり知られていない西洋音楽史~ロマン派音楽~
クラシック音楽の歴史である西洋音楽史。
作曲家は知っているけどその作曲家がどんな時代に曲を作っていたのか、どんな人物なのか知っていますか?
音楽を勉強するなら知っていて損はない、ぜひ知っておいてほしい西洋音楽史。
今回はロマン派音楽のお話です。
ロマン派音楽とは?
中世音楽、バロック、古典派、そして次に来るのがロマン派です。
ロマン派音楽は1827年から1920年ごろまでの約100年間、ヨーロッパで栄えた音楽のことを指しています。
ロマン派以前の時代は後から「バロック時代」や「古典派時代」と呼ばれるようになったのですが、ロマン派は音楽家たちが自ら「ロマン派」と名乗って活動していました。当時、文学や美術に理想や感性などの感情を重視して表現する「ロマン主義」が盛んだったことから音楽家たちも「ロマン派」と名乗るようになったと言われています。
ロマン派音楽は自由な発想や表現を求めて発展した音楽ですが、古典派時代にできた形式などは残されている作品が多いです。
ロマン派音楽の特徴
ロマン派時代は19世紀まるまるロマン派時代に近く、長い期間であることから「前期」と「後期」に分けられています。
前期ロマン派
古典派時代は宮廷に仕えた音楽家たちが仕事として作曲することが基本でしたが、ロマン派では独立して自分たちの音楽を作っていこう、という時代です。古典派からこの徐々にこの流れを作っていったのが前期ロマン派でした。
前期ロマン派の音楽は文学的な要素が盛り込まれていったことが特徴の一つです。
曲にタイトルをつける「表題音楽」が発展したり、詩などの文学からインスピレーションを得て作曲されるようにもなったのもこの前期ロマン派の時代です。
また、音楽家たちが自由に活動したこと、楽器の普及などもあって、上流階級の人が楽しむことが多かった音楽が、一般市民でも気軽に楽しめるようになりました。
また、一般家庭でもピアノを置く家庭が増えたことで「小品」が多く作曲されるようになった時代です。
後期ロマン派
後期のロマン派音楽の大きな特徴は音楽の広がりです。
- 調性の広がり
- 曲の規模の広がり
古典派時代までは、1曲の中で転調しても比較的近い調への転調でした。しかし自由を求めたロマン派は後期になればなるほど多様な音楽を求めて転調を極限まで広げて行くようになりました。
その結果、音楽の表現の幅がぐっと広がり、多彩な音楽が作られるようになっていったのです。
国民楽派
自由に表現ができるようになったことで、作曲家自らが地元へ思いを込めたり、地域の文化を音楽に取り入れるようになったこともロマン派音楽の大きな特徴です。
自分の国の民謡や民族音楽、舞曲の形式を取り入れた曲を作る作曲家も多く、そうした音楽家は「国民楽派」とも呼ばれています。