あまり知られていない西洋音楽史~古典派時代~
皆さんが普段何気なく耳にしているクラシック。クラシックには世界史や日本史と同じように歴史があります。クラシックの歴史は「西洋音楽史」と呼ばれており、音楽の授業でも取り上げられています。
しかし、音楽の授業でやるのはほんの一部。音楽をやるなら知っておいて損はない西洋音楽史をしっかりおさらいしておきましょう。
今回は古典派音楽のお話です。
「古典派時代」と言えばハイドン、モーツァルト、ベートーベンがとても有名です。名前は知ってるけどどんな作曲家なの?古典派ってなんなの?と疑問に思われる方も多いでしょう。
クラシック音楽を勉強する上でとっても大切な古典派時代。どんな時代でどんな音楽なのでしょうか。
それでは早速見ていきます。
古典派音楽とは?
古典派時代は1730年代から1820年代まで100年近く続いた時代です。
※バロック時代までをおさらいしたい方はこちらをご覧ください。
https://banmusic.jp/other/30959
古典派時代は西洋音楽史の中でも最も重要な時期と言ってもいいほどクラシック音楽に大きな変革をもたらした時期です。
古典派以前のバロック時代までは宗教的な意味合いの音楽が多く、教会や貴族のために音楽が作られていることがほとんどでした。
だんだん宗教や貴族の力が弱まり、音楽は一般市民に親しまれるようになるにつれて個人の表現が尊重される「芸術作品」として音楽が楽しまれるようになったのが古典派時代です。
古典派音楽の特徴
古典派時代は「形式」が重視されるようになったことが最も大きな変化と言えます。それと同時に古典派の特徴も「形式」があげられます。
形式とは
形式は「音楽の構成」のことです。
音楽の構成と聞くとやっぱりクラシックってちょっと厄介そうだな、と思うかもしれませんが、実はJ-popにも構成があります。
J-popの「Aメロ→サビ→Aメロ」といったような言葉を聞いたことがありませんか?これが音楽の構成です。
形式の登場によってさまざまな名曲たちが誕生しています。
古典派時代に誕生した2つの形式について見ていきましょう。
ソナタ形式
ソナタ形式は
- 提示部
- 展開部
- 再現部
この3つで構成されている形式です。
提示部
提示部は「この曲はこんな曲ですよ」ということを提示している部分です。この提示部の中には第1主題と第2主題の2つが存在しています。第1主題は1つ目のテーマ、そこから第2主題へ橋渡しされます。第2主題は第1主題の属調(調の属音を主音にした調)であることが多いです。
展開部
展開部はその名の通り最初の提示部を展開させた部分です。
1曲の中で一番盛り上がる場所であり、J-popで言うならサビのようなものです。
提示部の主題が様々な形に変奏されますが、どのような変奏にしなければならない、という決まりはありません。そのためこの展開部は各作曲家の個性が出る箇所でもあります。
再現部
再現部は提示部と同じ主題が出てきます。曲の「まとめ」の役割を持っている部分です。展開部で盛り上がったまま曲が終わってしまうとなんだかすっきりしないですよね。再現部は「この曲は終わりですよ」ということを教えてくれます。
ソナタ形式は基本的にこの3つから成り立っていますが、規模の大きき曲だと
- 序奏
- 提示部
- 展開部
- 再現部
- コーダ
と5つの展開になるものもあります。
ソナタ形式は「ソナタ」と名前のついた曲だけでなく交響曲などでも使われているクラシック音楽の基本中の基本の形式です。