あまり知られていない西洋音楽史~古典派時代~
ロンド形式
続いてはロンド形式について見ていきましょう。
ロンド形式は
- 主題
- 挿入部
の2つで成り立っています。
ロンドとはフランス語で「回る」という意味を持っています。
日本語で表記すると「輪舞曲」や「回旋曲」と書かれるように、主題と挿入部がぐるぐると交互に回りながら登場します。
古典派時代にもロンド形式に似たような形式が用いられていましたが、ソナタ形式が出てきてからより曲が芸術的になるように発展していきました。
「ロンド」というロンド形式を用いた曲もありますが、ソナタや交響曲などの終楽章で使用されることも多いです。
古典派時代の作曲家
クラシック音楽に大きな発展をもたらした古典派時代にはどのような作曲家がいたのでしょうか。モーツァルト、ベートーヴェンの影に隠れてしまっている作曲家をご紹介させていただきます。
アントニオ・サリエリ
1750年にイタリアで生まれたアントニオ・サリエリ。
お兄さんはヴァイオリニストで「悪魔のトリル」で有名な作曲家、タルティーニから指導を受けていたと言われています。
あまり馴染みのない作曲家かもしれませんが、映画「アマデウス」でモーツァルトのライバルとして登場して知った方もいるかもしれません。どんな音楽家なのか見ていきましょう。
代表曲
オペラ
- アルミーダ
- ヴェネツィアの市
- 見知られたエウローバ
- ダナオスの娘たち
- ファルスタッフ
器楽作品
- スペインのラフォリア
- ピアノ協奏曲 ハ長調
- オルガン協奏曲 ハ長調
- フルートとオーボエのための協奏曲 ハ長調
- オーボエ、ヴァイオリン、チェロのためのトリオ協奏曲 ニ長調
- 行進曲 ラントヴェーア
- 交響曲 「聖名祝日」 ニ長調
ミサ曲
- テ・デウム ニ長調
- レクイエム ハ短調
- インテ・ドミネ・スペラヴィ 変ホ長調
この他にもミサ曲では未完成のもの、断片的に作成されたもの、レクイエムなど多数あります。
サリエリはオペラを中心に活躍した作曲家であり、演奏される機会も少ないのですが古典派時代に欠かせない音楽家の一人です。
サリエリは宮廷楽長としてヨーロッパ祭壇の頂点に立ち、高い社会的地位を得ました。社会的地位が高かっただけでなく、音楽の指導者としても優秀でベートーヴェン、シューベルト、チェルニー、リストといったのちにクラシック音楽を盛り上げた音楽家たちを育てています。サリエリがいなければ偉大な音楽家は生まれなかったかもしれません。大きな力を持ち、後進の指導にも力を注いだにも関わらず、すっかりマイナーな作曲家になってしまっているのがもったいないと感じる音楽家です。
映画「アマデウス」でも描かれているようにモーツァルトの作品を盗作した、毒殺を企んでいた、などど言われていますが、どれも立証されていません。