力を抜いてラクに!魔法のようなフルート練習法6
「フルートを吹くのが苦しい」「高音を力いっぱい吹いていて、頭がクラクラする」……鳴らしにくい音は力を入れて吹いてしまいますが、本当にそれで良いのでしょうか?
フルートは、身体の力を抜けば抜くほど響いていきます。力を入れると、身体が辛く、しかも鳴らなくて、とっても損!
力を入れなくてもラクに軽く鳴らせるという体験をして、今後の練習に活かしてみませんか。
過去の記事はこちら↓↓
魔法のようなフルート練習法1
魔法のようなフルート練習法2
魔法のようなフルート練習法3
魔法のようなフルート練習法4
魔法のようなフルート練習法5
目次
フルートが鳴ることと力の関係は?
2種類の息を比べよう
簡単な実験をしてみましょう。
① 小さな紙を手に持って、唇の前15センチくらいに掲げてください。それを、力いっぱい吹いてみましょう。
② 次に、身体の力を抜いて、ほうっ! とため息を一気に吹きかけてみましょう。
さて、紙が勢いよくそよいだのは、どちらでしたか?
実験結果を演奏に使う!
先ほどの実験では、ため息のほうが紙が大きくそよぎ、しかも安定していたのではないでしょうか。力を入れて吹いたときは、紙のそよぐ角度が一定ではなく、揺れていたのではと思います。
フルートを吹くとき、必要なのは、安定した勢い良い息です。まさに、身体の余分な力を抜いたときの息なのです。
高音になればなるほど、スピードのある息が求められます。高い音に必要なのは、強い息ではなくて、速い息です。
……とすれば、力を入れれば入れるほど損をしている、ということになりますよね。
紙を何度も吹いて、力を抜いた吹き方のコツを掴みましょう。そして、実際にフルートを構えて、試してみてください。
せっかくの息を邪魔しないこと!
うまく息を出せるようになりました。でもここで注意しなければいけないのは、せっかく出てくる空気を、喉や口の中で乱さないことです! 過去記事「フルートの音を大きくするための3ステップ!」を参考に、口の中の形にも気を配ってみてください。
姿勢を変えるだけで音が変わる!
ラクに音を鳴らすための姿勢
更に姿勢についても、実験してみます。
フルートを持ち、壁に背中を付けて立ってみてください。その時、特に女性は壁と柱の間に空間が出来やすいですが、この空間をなくして立ちます。腰の部分をしっかりと壁に付けるということです。
今日の魔法はここで起こります!
この姿勢で、鼻から息を吸います。おなかの底まで息が一直線に入ってくるような気がしませんか?
フルートを構えて、背中一面、特に腰が壁にくっついていることを確認して、同じように鼻から息を吸い、フルートを吹いてみてください。
いつもよりラクに、軽く響く音が出ます。
試した感覚を覚えておこう
今回試したことは、そのまま演奏に使えるわけではありませんね。大事なことは、ラクに吹くとどういう感じなのかを知ることと、身体の使い方の方向性を知ることです。姿勢ならば、立ったり座ったりして演奏するときも、あまり良い姿勢になりすぎず、腰と背中をまっすぐにするような感覚に近付けてみるなど、工夫してみましょう。
時々、実験に戻ってくることで、普段どれだけ力が入ってしまっているか、知ることもできますよ。