あまり知られていない西洋音楽史~バロック時代まで~
クラシックを勉強していると作曲家ごとに「〇〇派」などと時代が区分されていますよね。
なんとなく作曲家と時代区分はわかるけど、それぞれ何がどう違うかわからない。。という方はいませんか?
今回はクラシックを勉強する上で必須の西洋音楽史のお話です。
西洋音楽史とは?
「西洋音楽史」と聞くとなんだか難しそうな気がしてしまうかもしれません。
西洋音楽は簡単に言うと「クラシックの歴史」です。
西洋音楽とはヨーロッパで生まれた音楽のことです。もちろんこの西洋音楽にはクラシック以外も含まれますが、一般的に長い歴史があるクラシック音楽の歴史を「西洋音楽史」と指すことが多いです。
西洋音楽史は
- 中世時代(600~1450年)
- ルネッサンス音楽(1450~1600年)
- バロック(1600~1750年)
- 古典派(1750~1830年)
- ロマン派(1830年~1900年)
- 近代音楽(1900~1945年)
- 現代音楽(1945~現在)
この7つの時代に区分されています。
今回は中世時代からバロック音楽までのお話をさせていただきます。
中世音楽
聖歌の誕生
中世音楽は西洋音楽の最も古い音楽とされています。ヨーロッパというと教会のイメージがありませんか?中世音楽は7世紀にローマのカトリック教会から始まりました。神に救いを求めて暮らしていた時代でしたので、聖歌(神にささげるための歌)が生まれ「中世音楽」が誕生したのです。まだこの時は楽譜というものは存在せず、200年間なんと口頭で受け継がれていたのです。
このころは伴奏がなく、アカペラで歌われていたことも大きな特徴の一つです。
大体の教会にパイプオルガンは設置されていますが、パイプオルガンが登場したのは9世紀ごろと言われおり、まだすべての教会に設置できるような手軽さはありませんでした。そのため、伴奏はついておらずアカペラで歌われていたのです。
オルガヌム声部の登場
9世紀ごろ、ついに現在のような楽譜を使って音楽を引き継いでいくようになりました。
聖歌は単旋律のものでしたが、ここから「オルガヌム声部」というものが出てきます。
オルガヌム声部が登場してしばらくの間、旋律に対して4度か5度下に一音につき一音だけつけられる「平行オルガヌム」のみでしたが、次第に発展していき、旋律以外の声部が平行以外の進み方(反進行など)をする「自由オルガヌム」が誕生ました。ここから単旋律音楽から多声音楽へと発展していきました。このオルガヌム声部がなければ西洋音楽は発展しなかったといっても過言ではありません。ポリフォニーの大切な原点です。