クラリネット息の使い方 必見!練習前に知っておくべき事②
前回に引き続き、今回もクラリネットの練習前に知っておくと良い予備知識をご紹介します。
クラリネット初心者の方もですが、経験者の方にもためになると思いますので、
是非、実践してみて下さいね!
前回の記事
クラリネットの音域について 必見!練習前に知っておくべき事①
クラリネットって難しい
クラリネットをはじめて吹いてみると、息が思うように入らずにガサガサした変な音が出てしまったり、苦しくて音が出なかったりしませんか?
はじめから上手く吹けるひとはなかなかいません。
まずはクラリネットの息の使い方を学んでいきましょう。
呼吸のシステム
上半身は胸部と腹部の2つの部分によって仕切られています。
楽器を吹く息はもちろん胸部にある肺から供給されるのですが、肺に入ってくる空気は主に横隔膜の下降運動によって胸部の容積が増えた結果、胸腔内の気圧が下がり、口腔を通して流れ込んでくるものです。そして今度は腹筋によって高められた腹圧が、下降してきた横隔膜を上に持ち上げ胸腔に対して圧力を加えると息が吐き出されるのです。
それと楽器を吹くとき、リードが振動することによって抵抗が生み出されるので、肺の中は常に圧力が生じることになります。
息の流れについて
クラリネットの音を生み出すのは、空気の流れであることを常に頭においてください。
これを簡単に説明すると次のようになります。気流がリードとマウスピースのすき間を高速で流れる時の気圧の変化とリード自身のバネによってリードが振動し、この振動するリードが、気流自身を管の中に入れたり止めたりすることになります。この断続的に流れる気流が管内の気柱に高速で振動する波を起こさせることになります。
流れを害するものがあってはならないし、流れを無駄にしてもいけません。
流れを害するもので注意しなければならないのは、舌の必要以上の圧力と、薄すぎる、または弾力のないリードです。この状態では、息はいつも圧力が高すぎて苦しくなります。薄すぎるリードに対して、息の流れをバランスよくさせると、息の圧力が低くなりすぎて楽器の気柱を振動させることが出来にくくなります。
また、流れを無駄にするもので注意しなければならないのは、必要な緊張がない唇と、厚すぎて息の流れに反応しないリードです。この状態では息は圧力を得られずに時として貧血を起こす原因になります。仮によくふるえるポイントを見つけたとしても、それに対する息の圧力は高いものになり、苦しい吹き味と表情の不自由さを伴います。このような状態で練習を繰り返すとあごに常に緊張があって、唇がゆがめられ、矯正が難しくなります。変な癖が付いてしまうと、後からなおすのに時間が必要になってしまいます。
息やアンブシュアの練習が十分でない初心者や年齢の低い人達には、わずかな唇の圧力でリードをマウスピースのレイに近づけられ、弱い息の流れにも反応しやすい薄いやわらかいリードが要求されるはずです。はじめは薄い傾向のリードから練習をはじめる方が感覚がつかみやすいでしょう。ただし、この状態の中に長くいてはいけません。訓練された状態に応じて、それに合ったリードへ移行していって下さい。
まとめ
腹式呼吸のシステムと息の流れの構造をしっかり理解した上で、楽器に挑戦することで苦しくなったり貧血になったりすることを防げます。はじめの頃は、なかなか長時間楽器を吹くのはつらいと思います。少しずつ、長く吹くことができるように練習していきましょう!
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