とにかくおすすめ!モシュコフスキーの練習曲
練習曲と聞くと「指を早く動かす練習」「同じようなメロディーでつまらない」「できれば飛ばしたい」「飽きる」とネガティブなイメージを持たれがちです。
もちろんリストやショパンのように華やかな練習曲もありますが、もはや「これが練習曲・・・?」と疑問に思えるほど音楽的にも技術的にも難易度が高く、一日の限られた練習時間の中に組み込むには厳しかったりします。
そんなときの救世主がモシュコフスキーです!
今回は魅力たっぷりのモシュコフスキーの練習曲をご紹介させていただきます!
モシュコフスキーって?
モシュコフスキーは1854年に生まれたポーランド出身の音楽家です。ピアニストとしても優秀でしたが、作曲や指揮者としても活躍しました。
熱心なユダヤ教徒で裕福な家庭に生まれましたが、晩年は第一次世界大戦の影響で晩年は生活の困窮と健康状態の悪化に悩まされていたようです。
どちらかと言えばマイナーな作曲家ではありますが、最近ではショパンエチュードの前にモシュコフスキーの練習曲を導入するパターンが増えてきており、じわじわと人気が再燃していると作曲家とも言えます。
どんな練習曲?
モシュコフスキーに練習曲は多声音楽と和声感を身に付けられる練習曲です。
これはロマン派の作曲家の勉強を始める前の段階にとても大切な要素で、チェルニーやハノンだけでは簡単に身に付けられません。
譜読みに関してはチェルニーよりも臨時記号が多かったりと断然しにくいですが、1曲1曲が短いためロマン派の作曲家の譜読みの練習にも最適です。
また、ペダルの練習にも適しています。
モシュコフスキー練習曲の魅力
モシュコフスキーの練習曲の魅力は何といっても音楽的な美しさ。
巨匠と言われているピアニスト、ホロヴィッツもモシュコフスキーの練習曲を好んでおり、アンコールに組み込むほど華やかな作品が多いです。
練習曲=単調というイメージが完全に覆される作品です。
モシュコフスキー練習曲の種類
モシュコフスキーは3つの練習曲集を作曲しています。
- 16の技術練習曲
- 15の練習曲
- 20の小練習曲
20の小練習曲
モシュコフスキーをやるなら最初に導入していただきたいのがこの20の小練習曲です。チェルニー40番に入っているなら割と取り入れやすいレベルです。
15の練習曲
20の小練習曲よりも少し難しいのがこの15の練習曲。先ほどお話したようにコンサートのアンコールでも用いられるのはこの15の練習曲です。曲の長さもちょっと長めですが、音楽的に美しい曲が盛りだくさんなのでショパンのエチュードに入る前にはぜひ勉強してほしいと思います。
16の技術練習曲
上記の2つと違い「技術的」という言葉がつくだけあって音楽的というよりは技術重視の練習曲です。こちらはすべてやる!というよりも15の練習曲と併用して苦手なものを数曲勉強する、という使い方がおすすめです。
まとめ
大曲を弾くためには、ピアノを弾く「手」が出来上がっていなければどんなに頑張って練習してもうまく進むことができません。そのため練習曲選びは本当に大切です!
単調な練習曲に飽きてしまっている方、次のステップに進む前にもう少し勉強したい方、ぜひモシュコフスキーの練習曲を取り入れてみてくださいね。