

浜松が音楽のまちといわれるのはなぜ?コンクール/メーカー
静岡県浜松市は、音楽のまちといわれています。浜松市といえばスズキやホンダといった輸送機器、機械工業メーカーがあり、ものづくりのまちとしても知られていますが、実は国際ピアノコンクールなども開かれ、ピアニストになりたい人にとっては有名な場所なのです。特産品のうなぎパイだけではない、浜松の音楽のまちとしての魅力をご紹介します。
浜松国際ピアノコンクールが開催される
浜松国際ピアノコンクールは、1991年にはじまり、以降3年おきに開催されています。2024年のコンクールでは、第1次、2次、3次予選を通過してやっと本選に進むことができます。本選では、東京交響楽団とピアノ協奏曲の共演をします。1位の入賞者は、賞金やメダルなどが授与されるほか、国内外でソロリサイタルやオーケストラとの共演の機会を得ることができます。
過去のコンクールは、2021年はコロナのため中止となったため、直近で開催されたのは2018年の第10回大会です。参加者88名の中で優勝したのはトルコのジャン・チャクムルさんでした。2位から6位を日本人が占めていますが、過去の大会で日本人が優勝したことは一度もありません。
なお、ピアノコンクールを題材にしたベストセラー小説『蜜蜂と遠雷』を執筆した恩田陸さんは、実際にこの浜松国際ピアノコンクールの演奏を聞いて小説の参考にされたそうです。
三大楽器メーカーの本社がある
浜松には、三大楽器メーカーの本社があります。三大楽器メーカーとはすなわち、ヤマハ、カワイ、ローランドのことです。浜松市は、ピアノや電子ピアノの世界トップクラスのシェアを誇っています。
国産初のオルガンも、1888年、ヤマハの創業者である山葉寅楠(やまは・とらくす)氏によって浜松市で作られたという歴史があります。明治時代、学校制度ができ教科の中に唱歌(しょうか)がとりいれられましたが、当時伴奏のためのオルガンは日本になく、需要は多かったようです。なお、カワイの創業者である河合小市(かわい・こいち)氏は、創業前にヤマハの前身である「山葉風琴製造所」に丁稚奉公していたそうです。
ローランドは、梯郁太郎(かけはし・いくたろう)氏によって大阪で創業され、のちに浜松に移転してきたという沿革があります。
まとめ
国際ピアノコンクールが開催されたり、世界トップクラスのシェアの楽器メーカーの本社があったりと、浜松が音楽のまちと呼ばれる理由がわかりました。コンサートホールや浜松市楽器博物館など、楽器にまつわる建物などもありますので、一度訪れてみるのもいいかもしれませんね。