教えて!クラリネットのリードミスを防ぐには
クラリネットを吹いていると、リードミスをしてしまうことがあると思います。曲中の静かな流れの時やソロで吹く時などは、特に気になってしまうと思います。今回はリードミスの原因と対策について説明していきます。
リードミスって何で起こるの?
そもそもリードミスの起きる原因は何なのでしょうか?リードミスの時に鳴っている音は「倍音」といって自分が鳴らしたい音ではなく、同時に響いている、その音のオクターブ以上かん高い「倍音」が鳴っているのです。リードミスで出る音は、クラリネットの出せる音の一つです。
他の管楽器、例えばサックスは、開管振動しているので2倍音(オクターブ上の音)が出やすいので、あまり目立ちません。しかし、クラリネットは奇数倍音しか出ない閉管振動楽器なので3倍音、5倍音の高次の倍音が出て目立ってしまうのです。
リードミスの原因ってなに?
リードミスの原因は、楽器の管の中を流れる空気がなんらかの理由で上手く通らない時に起きます。
⒈マウスピース
自分に合っていないマウスピースだと、無理に力が入ってしまい、音が出にくくなります。また、マウスピースに傷がついていると上手く息が流れていきません。マウスピースが原因ならば、違う型のマウスピースを試してみましょう。
⒉リード
リードの位置の上下左右のバランスが正しくないと、リードミスが起きやすくなります。楽器の設計通りに空気の流れが通らなくなってしまうからです。また、自分に合っていないリード(厚すぎる、薄すぎる等)も良くありません。リードが原因の時は、右に左に傾けて吹いてみてバランスを見てみましょう。自分に合ったリードで、マウスピースに取り付ける時のリードの位置には十分注意してください。
⒊トーンホール
トーンホールとは、クラリネットの楽器の指で塞ぐ穴の事です。トーンホールをしっかり閉じていないと空気が管をまっすぐ通っていきません。また、キーのタンポの状態が悪い時も同様です。息が漏れていないか、チェックして下さい。この場合の対策は、指の肉付きの良い真ん中で押さえて下さい。息漏れのチェックをして下さい。1年に1回以上はメンテナンスに出して確認してもらう事をお勧めします。
⒋アンブシュア
アンブシュアがしっかりしていないと、口の部分で息の流れを止めてしまいます。力みすぎたり、噛みすぎたりしてしまう事がリードミスを引き起こします。アンブシュアに関しては以前の記事(クラリネット口の形 必見!練習前に知っておくべき事④)でもご紹介しました。是非参考にして下さい。
包み込むようにマウスピースをくわえ、強く噛まないようにして下さい。上手くできない時は、上前歯にマウスピースを押しつけるようにクイっと楽器の角度を変えないように上げてみて下さい。そうすると、下唇に余裕ができるため、リードミスを防ぐ事ができますよ。
⒌ソルフェージュ
ソルフェージュとは発音・発声の事です。これが高すぎると、リードミスの原因となります。この場合は、最高音以外は、吹く音と同じか、より低くイメージ(発音)するようにして下さい。また、楽器の角度、息を吹き込む角度を変えてみる事もお勧めです。
⒍タンギング
舌がリードに対して荒く激しく当たり過ぎていると、リードミスが起こりやすいです。舌が障害となり、息が上手く流れていきません。タンギングは、TuTu よりは DuDu・RuRu・NuNu の方がソフトにリードに触れるのでイメージする発音を変えてみて下さい。リードに対して優しく触れるようにして下さい。
まとめ
今回は、リードミスの原因とその対策について説明しました。リードミスはクラリネットの構造上、どうしても鳴ってしまうものです。大会や演奏会などで鳴ってしまうと「しまった…」と思うかもしれませんが、審査員やプロの先生はよく分かってみえるので多めに見てくれる事が多いです。しかし、あまりにも回数が多いと減点の対象となりますから、正しい楽器の吹き方を心がけましょう。