

休符はなぜあるの?役割を知って演奏表現力をアップしよう
音楽には音符と休符があり楽譜に書かれています。
演奏しているときに音符は意識して音を鳴らします。
では、休符は意識していますか?休符は音が鳴らないためわかりにくく見落としてしまったり長さを保てず曖昧にしがちになります。
休符にはどのような役割があるのかご紹介します。
休符の種類と長さ
休符とは【その間は音を鳴らさないで休む】という意味です。
初心者用の楽譜には 8分休符、4分休符、2分休符、全休符がよく出てきます。
上級者用の楽譜になると 16分休符が出てきてより細かい表現が必要になってきます。
4分休符は1拍ということを基準にして、8分休符は半拍 2分休符は2拍、全休符は
各拍子に合わせた拍数全部の長さを保って 音の鳴らない空間を作り出します。
今見ているこの休符は何拍分の長さが必要なのか?知っておくことは大切です。
休符の役割5つ
①緊張感を作る
無音の空間を作ることで、今まで存在していたものが急になくなる状態を作り出します。
その驚きから 不意をついた緊張感を生み出します。
緊張感は曲にメリハリを与えてくれることで 音楽の自然な流れができます。
②次への期待を作る
鍵盤の場所を跳躍する前などにある休符は 次への期待感を持たせてくれます。
演奏者にとっては 跳躍する次の音への準備の時間とすることもあります。
聞き手にとっては 次はどんな音が鳴るのか期待感が高まる瞬間です。
予測通りの音が鳴ると安心感が、予測していなかった音が鳴ると驚きが生まれ感情が動きます。
③息つぎのタイミング
曲の始まるタイミングをそろえる、両手を合わせる、連弾や他の演奏者と合わせる時など 休符を使って演奏者同士が意思疎通をする時があります。
また、この息つぎができることで曲にまとまりができ 聴衆はメロディが聞き取りやすくなります。
④右手、左手の片手だけが休符の場合
一つしかなっていない音により意識を集中して聞くことができます。
1音しか鳴っていないメロディーは聞きやすいです。そして目立ちます。
片手での演奏は【楽】に感じますが、演奏者としてはメロディを奏でるために神経を使います。
⑤休む、音の無い空間を感じ余韻を楽しむ
曲の最後などの休符は 音の余韻を楽しむことができます。
終わった後の爽快感などです。
休符だけの曲もあります
『4分33秒』というアメリカの作曲家が作曲した作品です。
この曲は3楽章構成で、全ての楽章に【休符のみ】が書かれています。
休符の間に起こる全ての音をその場で 偶発的に起こった音として捉えているそうです。
まとめ
楽譜に書いてあるはずの休符ですが、音符とは違い 残念ですが忘れられがちです。
休符があることでリズムとしても複雑化することもあります。
でも、楽譜を読み取る練習開始時に 休符の意味や役割を考えることもぜひ取り入れてみてください。
表現力がアップし、メリハリのある演奏になりますよ。