「ディーヴァ」「プリマ・ドンナ」とは?オペラ歌手の呼び方

「ディーヴァ」「プリマ・ドンナ」とは?オペラ歌手の呼び方

優れた女性歌手のことを「ディーヴァ」と呼んでいるのを聞いたことがある方もいるかもしれません。「ディーヴァ(diva)」は近年、ポピュラーソングなどの女性歌手も指す言葉になりましたが、もとをたどると、卓越したオペラの女性歌手を指す言葉であることがわかります。今回は、オペラの歌手の呼び方についてご紹介します。

主役の女性歌手は「プリマ・ドンナ」

オペラのステージ

イタリア語で「プリマ・ドンナ(Prima donna=第一の女性)」といえば、オペラの主役となる女性歌手のことを指します。歌劇「トスカ」であればヒロインの歌姫トスカを、「蝶々夫人」であれば芸者の蝶々さんを演じます。普通、ソプラノ歌手がプリマ・ドンナを務めます。有名なプリマ・ドンナには、マリア・カラスやスミ・ジョー、日本人なら森麻季さんなどが挙げられます。成功したプリマ・ドンナのことを「ディーヴァ(diva=女神)」と呼ぶことがあります。

マリア・カラスは伝説的ディーヴァ

オペラシアター

女性の声はソプラノ、メゾソプラノ、アルトに分類されますが、ソプラノの中にも種類があり、そのうちのひとつが「コロラトゥーラソプラノ」です。声を転がすように歌う難しい技法のことをコロラトゥーラ(coloratura)といいます。ドラマティックな声を持ちながらも、「魔笛」の「夜の女王のアリア」など、コロラトゥーラの曲も歌いこなしたマリア・カラスは、100年に一度の、イタリアオペラ界における伝説的ディーヴァと言われています。普通は、迫力のあるドラマティックな声質の持ち主が軽快なコロラトゥーラを歌うのは難しいといわれている中で、それをなんなくこなしてしまうマリア・カラスは、プリマ・ドンナの中でもずば抜けた存在なのですね。

主役の男性歌手は「プリモ・ウォーモ」

シドニーオペラハウス

「プリモ・ウォーモ(Primo uomo=第一の男性)」は、オペラの主役となる男性歌手のことを指します。「トゥーランドット」であればテノールの王子カラフ役で「誰も寝てはならぬ」を高らかに歌い上げます。有名なプリモ・ウォーモを3人挙げると、ルチアーノ・パヴァロッティ、プラシド・ドミンゴ、ホセ・カレーラスで「三大テノール」が知られています。人気のある男性オペラ歌手は「ディーヴォ(divo)」と呼ばれることもあります。

まとめ

人気女性歌手のことを「ディーヴァ」とほめたたえることがありますが、もとをたどると卓越した女性オペラ歌手の呼び方であること、音楽史に残るディーヴァにはマリア・カラスがいることがわかりました。男性の場合はディーヴォといいますので、この豆知識もあわせて頭の片隅に入れておくといいですね。

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