フルートの歴史を知ろう!最初は骨だった!?
1キィフルートの時代
フルートは改良され、18世紀中期頃のバロック時代まで使われていたフラウト・トラヴェルソは
木製の筒に指穴6つと唄口と、右手小指のキィが1つという構造になりました。手で届かない穴をふさぐために
キーが取り付けられたのです。筒は、頭部(唄口あり)、胴体(穴あり)、脚部(穴あり)の3分割(もしくは4分割)
できる楽器になりました。楽器が分割されて音程が変えられるようになったようです。
その頃のフルートをバロック・フルートといいます。
大きな音は出せませんでしたが、多様な音色を持っていて、繊細で豊かな表現が可能でした。王侯貴族の
たしなみとして愛好されていたようで、プロイセン(ドイツ帝国統一の中心になった王国)国王だった
フリードリヒ2世はフラウト・トラヴェルソを好んでいました。フリードリヒ2世は1735年(23歳)から
1756年(44歳)頃、自らの演奏のためにフルート曲の作曲までしていたようです。
トラヴェルソ(バロックフルート)は19世紀初めまで使われていたと考えられています。
キィが増えていった時代
トラヴェルソからモダン・フルート(次に出てくるベーム式フルート)の間も、改良が続けられていきました。
音域を広げたり、トラヴェルソでは吹きにくかった音程を安定させるために、キィが複数に増えたものに
なっていったようです。多鍵式フルート(クラシカル(古典派の)・フルート、ロマンティック・フルート)の
登場です。18世紀半ばから19世紀前半にあたる古典派の時代に活躍しました。
ベーム式フルート登場→現代のフルートへと続く
19世紀に入った頃、ドイツ人のデオバルト・ベームが、本格的にフルートを改良しました。
指穴を大きくしたり、リングキィ・カバードキィを使用して改良していきました。1832年に考案し、
1847年に特許を取得したベーム式フルート(モダン・フルート、コンサート・フルート)です。
改良をした最初の頃は、木製だったようです。新しくなったフルートは性能・音色がとてもよくなり
現代へと続いていきます。
まとめ
フルートの誕生は、想像よりはるかに古かったです。石器時代のマンモスや鳥の骨から作られたフルートは
世界最古の楽器といわれているようです。約4万年も前からフルートの祖先になった楽器が使われていたのですね。
そこから改良・進化を重ねて現在の美しいフルートになっていきました。いつの時代も、音楽は人の心をつかみ、
音楽を求める人が多くいたことを想像しました。現代では実演した記録を残しいつでも聞きかえせますが、
昔の音色はどうだったのか、骨フルートの音色も気になります。その時代ごとのフルートの音色を
聴いてみたいものです。登場したフルートの種類の多さ、改良の回数がとても多く、大変驚きました。
※クラシックは、年代によって分類されています。上記に登場した時代は、古い順に以下のような感じかと思います。
①中世時代(6世紀頃~15世紀)
②ルネサンス時代(15世紀~16世紀頃)
③バロック時代(17世紀頃~18世紀頃)
④古典派時代(18世紀頃~19世紀頃)