装飾音符とはどのようなもの?弾き方についてご紹介
楽譜にある小さな音符を見たことありますか?
これは『装飾音符』と言って音楽の骨格となる音につけられた細かい音のことです。記号や小さな音符で示されます。
装飾音とは、音を飾るものですが、各国の時代や楽器、作曲家によって解釈が違ったり役割が異なったりします。現代に至っても出版されているバロック時代(1600年ごろ〜1750年ごろ)の楽譜につけられた装飾記号の大半は、後世の演奏家や校訂者が記入したものもあり 時代や出版社によってばらつきがあります。 今回は、装飾音の種類や弾き方についてご紹介します。
装飾音の種類について
装飾音には、前打音、モルデントなど1種類からなるもの、前打音とトリルなど2種類からなるもの、さらにはターンとトリルとモルデントなど3種類を組み合わせたものなどがあります。
さらにトリルについては、古いイタリア式(トリルの書いてある音から始めるトリル)と新しいフランス式(トリルの書いてあるひとつ上の音から始めるトリル)があります。バッハやヘンデルは新しいフランス式トリルの愛好者と言われています。
このトリルは最初の音、つまり書いてある音のひとつ上の音が魅力的な場合が多く
歌うように弾くことが大切とされています。
装飾音について
装飾音を示す記号は、その父の動きを記号化したものです。
記し方は基になる音符より小さく記し どのような高い音でも符尾(棒)は上向に記されます。
・長前打音は、小音符に斜線を持たず 原則的にその音符の長さを演奏します。
・短前打音は、斜線が入った8分音符の小音符でなるべく短く演奏します。
・複前打音は、複数の音からなり斜線は入れず 小さな16分音符で記され短く演奏します。
装飾記号
装飾記号とは、定型化された装飾音は『装飾記号』を用いて記されます。
装飾記号はどれも演奏の操作を助け 演奏すべき音を正確に記さないことから
略記法に近い役割もあります。
トリル、モルデント、ターン、プラルトリラー、トレモロ、アルペジオなどがあります。いずれも楽典の本などで演奏法が詳しく説明されていますのでここでは省略させていただきます。
弾き方については楽譜の下の方に記載があるときもあります
楽譜によっては装飾音の弾き方を 記載しているものもあります。
特に装飾記号については 細かく1音ずつ引くべき音が記載されているので
演奏の助けになります。
装飾音を使う目的として音を伸ばすことができないチェンバロなどの楽器を使用するときに 音が伸びているように聴かせるために使用しているものがあります。
現代のピアノで演奏する場合は 音をある程度は伸ばすことが可能なため
そうしても演奏が難しくなるようなら、省ける場合もあるかもしれません。
まとめ
装飾音はあくまでも飾りです。
一つだけ言えることは、主役の音を効果的に魅力的に装飾することが目的なので
軽やかに演奏することは必須です。
装飾音が使われる目的を知って演奏に取り入れていくことで キラやかで魅力的な演奏になりますよ。難しく捉えるのではなく軽やかにチャレンジされてはいかがでしょうか?