いつか弾きたい!ショパンのワルツを弾くならまずはこの曲を

いつか弾きたい!ショパンのワルツを弾くならまずはこの曲を

ショパンの曲にうっとりしながら、「いつかは弾いてみたい~」と思っているあなた!初級から中級に進む頃になると、少し難しい曲にも挑戦してみたくなるのではないでしょうか。エチュードの「別れの曲」や「革命」、ノクターンなどの有名な曲は、いつかは弾いてみたくなる曲ばかりですね。

「でも、難しそう~弾くのはまだまだ。」と敬遠しがちなあなた。確かに、ショパンを弾くにはある程度のレベルのテクニックや表現力も要求されますから、少し敷居が高く感じられるのも頷けます。だからといってあきらめることはありません。実は発表会での演奏にもよくラインナップされる曲で、しかもショパンらしい繊細な装飾が美しく、ロマンチックな雰囲気を感じられる曲があるんです。

今回は、いくつかの弾きやすいワルツの中から、『ワルツ「遺作19番イ短調」』をご紹介します。


 

ピアノの鍵盤

ワルツ「遺作19番イ短調」について

この作品は、ピアノ独奏のために作られました。ショパンの晩年、1847年~1848年に作曲されたと言われています。ショパンの亡くなった年(1849年)の1年前ということになりますね。このワルツは、ショパン没後100年以上も経った、第二次大戦後の1955年に出版されました。

この作品は、短調の美しい旋律はもとより、難易度も比較的易しい上に短い曲なので、ピアノレッスンの入門曲としてもよく使われます。ロスチャイルド家の夫人、もしくは令嬢のために書かれたと言われますので、習作(練習のための曲)としての位置づけなのかな、と思います。単純で素朴な曲の構造をしているのでさもありなんですね。

※「遺作」というのは、人生最期の作品というわけではありません。「死後に出版された作品」のことを「遺作」といいます。

曲の構造

調は「イ短調」。テンポはAllegretto(アレグレット)=やや速く。ポーランドの子供たちの踊りに由来するとされている。自由なロンド形式で書かれています。中間は「イ長調」転調して、再び「イ短調」に戻ります。

マズルカのように3拍子で4小節のメロディが何度も繰り返されます。曲頭のテーマが少しずつ変化しながら何度も現れ、単純でありながらも豊かな表情を見せながら旋律が流れていきます。

弾く時のちょっとしたコツ

グランドピアノ

ショパンのワルツは、故郷のポーランドの民族舞踊マズルカのリズムを意識して弾くのが、よりショパンらしい音楽を感じることができます。皆さんの良く知っている「ウィンナーワルツ」の3拍子とは違うリズム感覚です。日本人にはなかなか体得しにくい3拍子だとよく言われます。

この曲では、同じような旋律が繰り返されますが、このような場合、まったく同じ弾き方をするのではなく、1回目と2回目の弾き方を少し変えてみることで、表現豊かな演奏ができるでしょう。

トリルなどの装飾音符の入れるタイミングもショパンの曲には特徴があります。ここでは詳しい説明は省きますが、プロのピアニストの演奏を聴いたり、曲の解釈の研究をするのも、自分が弾く曲のイメージを形にしていくために役立つと思います。

また、21小節目の3連符5連符が連続して駆け上がっていくフレーズがあるのですが、感情の盛り上がりを素直に表現して欲しいところです。指使いを工夫するなどして音の粒が揃うよう、ゆっくり丁寧に練習するとよいでしょう。このフレーズが巧く弾けると、ご自分の演奏にも自信がつくと思います。

まとめ

ショパンのワルツは聴くのも弾くのも魅力的です。発表会などの曲に選びたいナンバーワンかもしれません。

  • 作曲された時代の背景や、きっかけなどを知ることで、その曲のイメージがしやすくなります。
  • 曲の構造を理解したうえで、特徴をつかんで演奏の表現に役立てていきましょう。
  • 先生のアドバイスを受けながら、よりよい工夫をしたり丁寧な練習で、あなたらしい演奏ができるよう仕上げていきましょう。

「ワルツ遺作19番イ短調」を弾けるようになると、ショパンの他の曲にも挑戦したくなってくるのではないでしょうか。他にもいくつか弾きやすい曲もあるので、また別の機会にご紹介したいと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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