ピアノの名曲をプロフィール!「メヌエット ト長調」
ピアノを始めたら、是非弾いてみたい1曲、バッハの「メヌエット ト長調」。曲名を知らなくてもメロディーを聞くと知ってる方も多いと思います。
今回はそんなメヌエット ト長調をご紹介させて頂きます。
20世紀の後半、アメリカのソングライター、サンディ・リンザー&デニー・ランドルはこの「バッハのメヌエット」を4/4拍子に編曲し、歌詞を付けました。それが「ラバーズ・コンチェルト」というポップスです。世界中で大変ヒットしました。
ヨハン・セバスチャン・バッハのこと。
バッハ家は200年に渡ってたくさんな音楽家を輩出しました。その中でも「ヨハン・セバスチャン・バッハ」は「大バッハ」とよばれています。普通、私達がバッハと言う時は彼のことを指します。
モーツァルトはバッハの研究をし、ベートーベンもバッハの平均律曲集を学びました。そしてショパンもピアノの上にはいつもバッハの楽譜が置いてあったと言われています。バッハの鍵盤曲なし今のクラシック音楽はなかったのかもしれませんね。「音楽の父」と言われる所以です。
この曲、なんとバッハ作曲じゃない!
「メヌエット ト長調」はバッハの2番目の妻に捧げられた「アンナ・マグダレーナのためのクラヴィーア曲集」という音楽帳の中の一曲です。この音楽帳の多くはバッハの作品ではありません。バッハの妻や息子の曲もあり、そして作曲家の名前が記載されていない曲もおさめられています。この音楽帳はバッハ家の音楽の団らんために、そして息子たちの教育に使われたと言われています。
作曲家は名前が伏せられていたので、「メヌエット ト長調」は誰の作曲なのか知られず「バッハのメヌエット」として有名になりました。しかし近年、音楽学者のハンス=ヨアハム・シュルツェらによって、ドレスデンのゾフィー教会のオルガニスト、クリスティアン・ペルツォートの作品であることがわかりました。もう一つの「メヌエットト短調」もペルツォートの作品です。
「バッハのメヌエット」ではなく「ペルツォートのメヌエット」だったのですね!
演奏について
メヌエットとは優雅な舞曲のことです。もともとメヌエットは「中ぐらいのテンポで、ステップは小幅に」という意味で、これはフランス語のmenu(小さい)という意味からきています。
装飾音符はこの時代の作品に重要な役割を果たしています。出来るだけ音を抜かないで弾けると良いですが、もし無理な箇所があれば、数を減らすなりして進度に合わせた弾きかたでも良いと思います。
右手は旋律なのはもちろんですが、左手は伴奏というより副旋律です。両手で弾く時には、「メロディーと伴奏」のようではなく、右手と左手でデュエットしてるように弾けると良いと思います。
全体的に、シンプルにそして爽やかに演奏できるといいですね。