

ピアノの鉄板練習曲!チェル二ー解説!
ピアノの練習曲でハノンに次いでよく耳にするチェルニー練習曲。
ハノンとどう違うの?なんのために練習するの?種類が多くてどれからやればいいのかわからない。
とても有名な練習曲集ですが、意外と嫌われ者で謎の多いチェルニー。
今回はチェルニー練習曲について解説させていただきます。
チェルニーとは?
チェルニー練習曲は練習曲の名前ではなく、「カール・チェルニー」という作曲家が作った練習曲です。
チェルニーはオーストリア出身の作曲家です。作曲家である一方、ピアニストでもありピアノ教師という一面も持っていました。
チェルニー練習曲があまりにも有名なので、チェルニーがピアニストであったという事実は忘れられがちですが、ピアニストとしても超優秀でした。
チェルニーは大作曲家、ベートーヴェンの弟子でもあり、「皇帝」のタイトルで有名なピアノ協奏曲第五番の初演はチェルニーだったのです!
さらに、超絶技巧など、とにかくテクニック的にピアニスト泣かせとして有名なリストを指導した経歴まで持っています。
チェルニーの作品
「練習曲の作曲家」のイメージが強いチェルニーですが、練習曲以外にもたくさんの曲を残しています。
- 変奏曲
- ソナタ
- ソナチネ
- スケルツォ
- ロンド
- 小品
- 前奏曲
- 幻想曲
- ワルツ
- ポロネーズ
ピアノ独奏曲以外では
- 交響曲
- 協奏曲
- 室内楽
など、1,000を超えると言われています。(作品の通し番号は861)

チェルニー練習曲の種類と難易度
いよいよ本題の「練習曲」についてです!
チェルニーにはたくさんの練習曲の種類がありますが、「どれから始めればいいの?」ということではないでしょうか。数ある中からレッスンで使われているものを厳選してご紹介します。
入門編
- 100番
- リトルピアニスト
- 小さな手のための25の練習曲
ハノンを終えてからブルグミュラーと併用して使う場合が多いです。リトルピアニストや小さな手のための練習曲はまだ手が小さい子供に負担なく練習できる曲が選ばれています。
100番はその名の通り100曲の練習曲から成り立っています。気が遠くなるかもしれませんが、すべてやるというよりも抜粋して次へ進むことが多いです。
初級編
- 30番
- 40番前半
初級編とは言っても100番から比べるとぐっと技術的に難しくなってきます。40番の前半までは初級です。ここでしっかりと指がしっかり動かせるようにすること、楽譜を正確に読むことを身に付けることが大切なポイントです。
中級編
- 40番後半
- 50番
中級になると技術だけではなく音楽的に充実した練習曲になってきます。その分譜読みも大変になりますがやりがいは十分です。50番がすべてインテンポで弾ければショパンの練習曲へもスムーズに移行できます。
上級編
- 60番
はっきり言ってしまうと音大に行くレベルの人でも60番はあまりやりません。大体の人は50番以降はショパンの練習曲をやります。
ちなみに怖いもの見たさに挑戦したことがありますが、かなり難しいです。一筋縄ではいきません。60番を弾きこなす人はかなりの上級者です!
まとめ
同じような曲が多いし弾いててなんだかつまらない、なんとなくやらなくてはいけない、と思われているチェルニーですが、チェルニーを勉強したか、していないか、でその後に弾ける曲の幅が大きく変わっていきます。
また、後半になればなるほど技術面だけではなく音楽的な旋律も加わって弾きごたえもたっぷりです。
「ただの練習曲」と思わずに、チェルニーが残してくれた「ピアノ弾きのための宝物」、と思って丁寧に、大切に弾きこんでくださいね。