強弱が出せるチェンバロ-を作ろうとしたらピアノが出来ちゃった!<ピアノの歴史>

強弱が出せるチェンバロ を作ろうとしたらピアノが出来ちゃった!<ピアノの歴史>

ピアノが「ピアノフォルテ」と呼ばれていたのは、なぜ?

楽譜

先ほど紹介した「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」ですが、(長い名前ですね〜)、なぜ「ピアノフォルテ」と呼ばれていたのでしょうか?

イタリア語で「ピアノ」とは「静かな」という意味があります。そして「フォルテ」とは「大きい」という意味です。この二つの言葉を組み合わせて・・・・。そうです。ピアノは「静かな」音も「大きな」音も出せるため、「ピアノフォルテ」と名付けられたのです。

最終的には「フォルテ」という言葉がなくなり、「ピアノ」と呼ばれるようになりました。

初期のピアノはどんな姿だった?

チェンバロ

ピアノはいくつかの異なる楽器を祖先に持っています。

弦やハンマーがあることからダルシマー(ハンマード・ダルシマー)はピアノの祖先ではないかと考えられています。また、鍵盤があるという点で、クラヴィコードはピアノを連想させます。チェンバロはかなりピアノに近づいた楽器と言えます。

ダルシマーやクラヴィコードについては、また後日詳しくお話しできたらと思います。が、ここでは一旦ピアノにフォーカスを当てていきますね。

初期のピアノの音域は5オクターブしかありませんでした。木製のフレームで作られていたため、弦を強く張ることも出来ません。そのため、現代のピアノと比べて、軽やかで繊細な優しい音を奏でていました。鍵盤も55鍵しかありませんでした。鍵盤の色も今とは逆で、白鍵が黒、黒鍵が白、でした。

この時代の有名な作曲家にモーツァルトがいます。現代ピアノは88鍵ありますが、彼が使っていた鍵盤は現代ピアノと比べて音域が狭かったため、モーツァルトの曲は狭い音域の曲が多く残っています。今私たちが聞いているモーツァルトのピアノソナタと、モーツァルト本人が聞いていたピアノソナタとでは響きも音色も全く違っていた、ということになりますよね。

時が経つにつれ、金属のフレームがつけられ、弦をより強く張ることができるようになり、ピアノはより大きく、より強く大きな音が出るようになりました。オクターブが追加され、さらに広い音域を持つようにもなりました。こうしてピアノは現在のような力強い音が奏でられるようになったのです。

まとめ

いかがでしたでしょうか? 今とは全く様子の違うピアノが300年の時を経て、私たちの身近な楽器となったことを少しでも感じ取ってもらえたら嬉しいです。お手元にピアノ楽譜をお持ちでしたら一度開いて見てみてください。その曲がどの時代のどんな鍵盤楽器を使って作曲されたのかを想像しながら弾いてみるのもいいかもしれませんね。

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