徹底解説!ピアノ調律が必要な理由
早速ですが皆様に質問です。
家にあるまたは実家にあるピアノ、前回の調律はだいたいいつ頃でしょうか?
「もちろん毎年やっています」「ピアノの調律?え?もう4〜5年はやってないかも」「娘が小さい時使ってて〜その後誰も使わなくなって今度孫に使わせたいんだけど、、、20年はやってないかも」
などと色々な声が聞こえてきそうですね。
調律のお話はピアノを購入した際にメーカーさんや購入した店舗のスタッフさんから「このくらいの頻度で調律してくださいね〜」などと説明があるはずです。ですが調律の必要性や重要性って誰かに教えてもらった事ありますでしょうか?(実はかなり重要です!)これを知っているのと知らないのとでは調律に対する考え方がガラッと変わります。
そこで今回は皆様にピアノにとって調律をすることがいかに大切な事なのかを知って頂き、これからのピアノメンテナスにおいて役立てる知識をお伝えできればと思います。
ピアノを維持するための3大要素
ピアノ維持の3大要素、それは「整音」「整調」「調律」です。
あれ?調律だけじゃダメなの?
そうです。ただ知って頂きたいのは「ピアノ調律」という言葉は広い意味ではこの3つの要素を含む場合が多いです。作業を細かく分けるとこの3つになるという事ですね。調律という言葉が一人歩きしているのでそれ以外はあまり耳馴染みがないかもしれません。さて整音と整調という新しい言葉が出てきました。この2つは修理に分類されます。それでは1つずつ簡単に説明していきます。
整音(せいおん)・・・その名の通り音を整える事。つまり音色の調整
何年も使い込んで弦を叩くハンマーが硬くなると音がキンキンしてきます。そのハンマーの硬くなった部分をヤスリで削ったり針を刺してほぐして音を整える作業です。
整調(せいちょう)・・・鍵盤を押すと音が出るというピアノ内部の仕組みの調整
これは少しイメージしにくいかもしれません。開けてみるとわかりますがピアノってものすごい数の部品の集合体なんです。そしてその部品同士がミリ単位で設計されて連結しています。その部品たちが経年劣化や使い込んでいくうちにだんだんとズレてきます。そうするとある日突然音が出なくなったり、鍵盤が異常に重たいといった症状が出てきます。その部品たちのズレを直すのが整調という作業です。
調律(ちょうりつ)・・・音の高低を調整する作業
皆さんおなじみの調律は音の高さを調整します。弦は1本あたり約80kgの張力で張ってありますので時が経てば当然緩んできます。緩んでくると音が低くなります。その緩んだ弦を元の状態にひっぱり直すのが調律です。(湿気の関係で音が高くなっている場合もあります)
「鍵盤の戻りが遅いから調律してもらおう」「なんか音がキンキンするから調律してもらおう」しかし厳密に言うと調律とは音の高低を調整するだけの作業なので、鍵盤の問題や音色は直せません。こちらは調律とは別に整音や整調という修理作業が必要になるので料金別途かかります!(ここ知らない方結構いらっしゃると思いますのでプチ情報!)
2ページ目では調律していないとどんなリスクがあるのか具体例をあげます。