カスタネットの起源はどこの国?なぜ赤と青に塗ってあるの?
小さい子供でも簡単に音を出して演奏することができ、多くの人に親しみのあるカスタネット。でも、カスタネットの起源など楽器について詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。今回は、カスタネットの歴史や疑問について紹介します。
カスタネットの起源はスペイン
カスタネットは、スペイン語で「栗」を意味する「カスターニャ」が語源となっています。スペインが起源のカスタネットは、2枚の丸い形の木片を互いに打ち合わせて音を出します。スペインの伝統的な踊り「フラメンコ」で使われているイメージが強いかもしれません。フラメンコ用のカスタネットはパリージョと呼ばれることが多く、パリージョは、スペインの国民的な打楽器です。フラメンコ用のカスタネットは黒色が多く、両手に1つずつ持って演奏しながら踊ります。一般的に、右手(利き手)に高い音、左手(利き手でない方)に低い音のカスタネットを持ちます。
教育用カスタネットはなぜ赤と青に塗ってあるの?
昔は、男の子は青色を使う、女の子は赤色を使うという、性別による色に対する固定観念のようなものがありました。そのため、男の子用のカスタネットは青色、女の子用のカスタネットは赤色で作られていました。しかし、在庫管理が大変だったため、男女兼用できるようにカスタネットの2枚の木片のうち片方を青色、もう片方の木片を赤色にしたという経緯があります。
教育用カスタネットは、舞踊家の千葉みはるさんが考案した「ミハルス」が原型となっています。子どものリトミックで使われることが多く、数百円で手に入れることができます。ゼンオンやヤマハなどから発売されています。色が水色とピンクなど、従来とは違う色で塗られているものもあります。教育用カスタネットは、当初は桜で作られていましたが、ブナや栗などで作られるようにもなりました。
オペラやクラシック・バレエにも登場したカスタネット
スペインを舞台にしたオペラ『カルメン』では、第二幕でカルメンがカスタネットを打ちながら歌うシーンがあります。ほかにも、クラシック・バレエの『白鳥の湖』では、第三幕の「スペインの踊り」でカスタネットが活躍します。いずれも、複雑なリズムで打ち鳴らされるカスタネットは、聴きごたえがあります。
まとめ
きわめて単純な楽器でありながら、フラメンコなどダンスと絡むとリズムの奥が深いカスタネット。軽快なリズムと異国情緒を楽しみに、フラメンコを見に行くのもいいですね。子どもの教育用だけではない、カスタネットの魅力が伝われば幸いです。