バイオリンの素材は何の木材で出来ている?材質について解説

バイオリンの素材は何の木材で出来ている?材質について解説

皆さんは、バイオリンという言葉を聞いたとき、何を思い浮かべるでしょうか?

弦楽器ってことは知ってるけど・・・。木で出来ていること以外は詳しく知らないな・・・。

思ったよりも漠然としか分からない、という方が多いのではないでしょうか。

今回のコラムでは、バイオリンの各パーツの説明から使用されている「木材」についてまで、詳しくお話していきます。

ヴァイオリンのアップバイオリンを形作る各パーツのご紹介

バイオリンは、さまざまなパーツが組みあがって1つの形を成しています。

これから各パーツの名称を簡単にご紹介していきましょう。

表板

この部分は楽器の印象を形作る部分です。
製作者によって表板の立体的な形状や装飾の有無が少しずつ違ってきます。
また、f字孔というイタリック体のfに似た左右対称の穴が中央付近に開けられています。
表板は一見すると分かりにくいですが、左右2枚の板によって対称に作られています。

裏板

実は表板と違う木材が使用されています。(木材についてのご紹介は次章でお話します。)
裏板の木目の美しさも製作者によるこだわりが出る所です。
楽器により裏板が2枚板になっているものと1枚板のものがあります。

横板

横板は楽器を箱の形状に保つ上で重要なパーツです。
強度が求められるほか、厚みも薄すぎず厚すぎずの微妙な塩梅が求められます。
一般的に裏板と同じ材質が用いられます。

ネック

ネックは一般的に裏板、横板と同じ木材で作られます。
先端には渦巻き形状の装飾が施されています。
ネックは長期間弦を強く張ったままでいると動いてしまうことがあるので、長く楽器を保存しておく場合は気を付けましょう。

その他各パーツ

この他に、指板、テールピース、ペグ、あご当て等、弦を張るうえで必要なパーツや演奏上必要不可欠なパーツがあります。特に指板、テールピース、ペグは強度が必要な部分のため硬い材質のものが使用されます。
あご当ては様々な色味や材質、質感のものがあるので、楽器との相性や演奏者の好みによって違ってきます。

積まれた木材使用されている木材の種類

では、実際に使用されている木材のご紹介をしていきましょう。

スプルース(唐檜/とうひ)ー表板

オウシュウトウヒまたはドイツトウヒとも。海外ではモミの木と共にクリスマスツリーとしても用いられます。
木材は緻密で軽軟、加工性も良いため特に弦楽器の材料として用いられます。
また、軽量・柔軟・高強度の3つが合わさることで優れた振動性と音響特性を発揮します。

メイプル(楓/かえで)ー裏板、横板、ネック

いわゆる日本の楓ではなくセイヨウカジカエデが使われます。
木材は白く、美しい光沢があり耐久性も高いため、楽器の他家具や建材等にも使用されています。
高硬度・強度のため音質はクリアーで発音のはっきりとした特徴を持ち、特に高品質素材として杢(虎杢)の美しいものがより高価格で取引されています。

エボニー(黒檀/こくたん)ー指板、各パーツ

漆黒の色合いで緻密でとても固く、水に沈むほど比重の重い木材の一つです。
その特性から高い耐久性を求められる部分の材料として使用されています。

ローズウッド(紫檀/したん)ーテールピース、あご当てなど

黒檀ほど漆黒ではなく筋が入っているのが特徴です。
紫檀もとても固いため、水に沈むほど比重の重い木材の一つです。
ただ、加工が難しく割れやすい特徴があるので高度な技術が必要になります。

ボックスウッド(柘植/つげ)ーあご当てなど

黄色味が強く、きめが細かく固く割れにくい特徴があります。
加工が難しいため高度な技術が必要になります。

さいごに

いかがだったでしょうか?バイオリンは、一言に「木材」で出来ているという表現にはとどまらない、各パーツに一番適したこだわりの厳選木材が使用されている事が分かりましたね。

バイオリンをはじめ他の木材で作られている楽器もそうですが、奏でられる音色はある意味、森や湖、雄大な自然の音色を楽器を通して聴いている、と言っても過言ではないと思います。

皆さんもバイオリンを練習するとき、大自然の音色が楽器を通して出てきている、と思いながら練習をしてみると、今までとまた違った趣に感じられるかもしれません。

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