国宝・重要文化財に指定されている楽器とは?日本の宝!
日本には、琴や琵琶など、国宝や重要文化財に指定され、神社や寺院などで大切に守られている楽器があります。なぜ神仏のまつられているところに楽器があるのかというと、娯楽のための楽器ではなく仏や菩薩を供養するために楽器を使用するならよいとされていたためです。今回は、そんな日本の宝といえる楽器たちについてご紹介します。
螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)
螺鈿紫檀五絃琵琶(らでんしたんのごげんびわ)は、奈良県にある東大寺正倉院の宝物です。その名の通り紫檀(したん)という木で作られ、螺鈿(らでん)という技法で飾られた、弦が5本ある琵琶です。なんと8世紀からいまに伝わるという長い歴史のある楽器であり、明治時代に大きく修復され、現在の姿をとどめています。琵琶はもともと日本の楽器ではなくインド発祥であり、このころにはすでに日本まで琵琶が伝わっていたことがうかがわれます。聖武天皇(しょうむてんのう)の遺品であり、貝を張って美しく装飾した美術品としての側面も持っています。
七弦琴(しちげんきん)
法隆寺の宝物である七弦琴は、中国・唐から奈良時代に日本に伝わった琴です。桐で作った琴に漆を塗って仕上げています。琴の内部には、現在の四川省のあたりである九隴県(きゅうろうけん)で作られたと書かれています。一般的な琴は一つの弦で一つの音を出しますが、この七弦琴は弦を押さえることで、ひとつの弦で音を変えて演奏します。過去には、2005年に東京国立博物館で公開されたことがあります。
木製彩色楽器(もくせいさいしきがっき)
広島県の厳島神社にある重要文化財である木製彩色楽器は、雅楽で用いられる鼓(つづみ)の一種で、漆が塗られ、龍の絵が描かれています。右手で撥(ばち)をもって、首から下げた奚婁(けいろう)と呼ばれる鼓を打ちます。また、左手で兆鼓(ふりつづみ)を鳴らすということもします。奚婁は中国から日本に伝承した鼓で、中央が膨らんだ胴に両面皮を張ってあります。もともとわきに挟んで打って演奏していましたが、鼓を首から下げるようになりました。
ちなみに、振って音の出るおもちゃのでんでん太鼓は、ふりつづみをモデルにしているといわれています。
まとめ
国宝級の楽器は普段大切に保管されているので見ることができませんが、たまに公開され、一般の人も美術館などで見ることができます。機会があったらぜひ展覧会に足を運んでみてくださいね。