

ピアノの響きを意識して演奏しよう!減衰音とは?
普段、ピアノは減衰楽器(げんすいがっき)だということを意識して演奏していますか?この記事では、減衰音とは何か、減衰音を活かす演奏の工夫についてお伝えします。鍵盤をただ押すだけではなく、減衰を計算しつつ響きをコントロールすることができれば、よりよい演奏につなげることができるでしょう。
ピアノは「減衰楽器」。音は鳴った瞬間から消えていく

ピアノは「減衰楽器」と呼ばれる楽器です。減衰楽器とは、音を出したあと、時間とともに音が小さくなり、自然に消えていく楽器のことを指します。
たとえば、ピアノの鍵盤を一度押すと、ハンマーが弦を叩き、その瞬間から音は少しずつ減衰していきます。バイオリンや声楽のように、弓や息で音を伸ばし続けることはできません。
そのため、連打や速いパッセージを演奏するときに比べて、長いフレーズを音楽的に歌わせるときには、「どのように響きをつないでいくか」がより大切になります。
減衰楽器には、ピアノ以外にもギター、ハープ、マリンバ、琴などがあります。これらの楽器はいずれも、「鳴らした後の余韻」を聴きながら音楽を作っていく楽器です。
減衰音とは何か──余韻の中にある音楽
ピアノ演奏では、「鳴った瞬間の音」だけでなく、「消えていく音」そのものが音楽になります。
特に大切なのは、音域によって減衰の仕方が異なることです。高音域の音は比較的早く消えていき、きらりと輝いて空気に溶けていきます。一方、低音域の音は長く残り、霧のように空間に広がります。
そのため、低音をたくさん響かせすぎると音が濁りやすくなり、高音ばかりでは響きが薄く感じられることがあります。
上手な演奏者ほど、「今どの音が空間に残っているか」を耳で聴きながら演奏しています。楽譜に書かれた音符だけではなく、ホールや部屋に漂っている響きまで含めて音楽として扱っているのです。
ピアノの響きの作り方をオーケストラに学ぶ

ピアノを学ぶ人は、ピアノ単独の演奏だけでなく、オーケストラを聴くこともとても大切です。
なぜなら、オーケストラには弦楽器、木管楽器、金管楽器など、さまざまな種類の響きが存在しているからです。どの楽器が前に出て、どの楽器が背景を支えているのかを聴くことで、「音の重なり方」への感覚が育っていきます。
たとえば、柔らかいフレーズを弾くときに「クラリネットのような音色」をイメージしたり、壮大な和音を「ホルンの響き」のように感じたりすることで、ピアノの音色は大きく変わります。
ピアノは一台でオーケストラのような表現ができる楽器だと言われます。だからこそ、さまざまな楽器の響きを知ることが、豊かな演奏につながっていくのです。
ここまでは、減衰音とは何かや、響きの作り方のイメージについてご紹介しました。次のページでは、実際にどのように演奏することで響きを活かせるのかについてお伝えします。






