

動体視力に頼るな!読譜リスクを半減させる暗譜の力
譜面があることで演奏の安全性は高まりますが、「譜面を見ているから安心」とは言い切れない場面も経験します。
今回の伴奏では、半音転調や3ページ構成の譜面など、難易度を高める要素が重なりました。その中で、完全に読譜に頼る事の危険性を実感します。
本稿では、本番で読み間違いを減らすための「読譜を助ける暗譜」を提案します。
完全読譜の演奏で見えた弱点
過去記事(読譜と暗譜のあいだで揺れる話|「間違えるなら読譜しろ)で紹介させて頂きましたが、今回のイベントも読譜演奏を想定して準備を開始しました。
練習段階の読譜面で、
・譜面の行を読み違える
・どこを演奏しているのか見失う
といったミスを多発しました。
視線の移動量の多さが印象的で、このあたりに要因があるのではないかと感じます。
手元を視認、譜面戻り、また手元、、この繰り返しを想像するだけでも、大きな負荷を印象付けられます。
プロ野球選手の引退理由に「動体視力の衰え」が挙げられる様に、この辺りにヒントがあると思うのです。
半音転調と3ページ構成が難易度を押し上げた
該当曲のアレンジでは、レギュラーチューニングのAからA♯(B♭)へ半音転調する構成を選択しました。
転調前後のどちらを弾きやすくするかは悩みどころです。

セットリスト全体のチューニングを考慮して、今回は転調後にセーハコードやハイポジションが連続する構成です。「こっから集中!」
諸々想定して練習を開始しましたが、演奏技術面以上に読譜の領域で苦労します。
普段は見開き2ページに収まるよう譜面を作成しますが、今回は省略したパートが少なく、3ページ構成になりました。
ページ数が増えることで視線の移動が増え、手元、譜面、次ページ、、目の動きが普段以上に忙しくなり、読み違えを頻発させたと考えます。
読譜を助けるための「部分暗譜」という考え
改善効果を感じたのは、「読譜を助けるための暗譜」です。
曲全体ではなく、
・繰り返しのコード進行(暗譜が容易)
・サビ入り(視線切替が多く危険)
・転調入り(視線切替が多く危険)
・キメ(視線切替が多く危険)
上記ポイントを中心に暗譜を行い、譜面への依存度を下げました。
手元を見たままでも、頭の中で次の展開が分かるため、譜面へ視線を戻す時間に余裕が生まれます。
結果として譜面を見失うリスクも大幅に減り、本番でも落ち着いて演奏できるようになります。
読譜か暗譜か、どちらか一方を選ぶのではなく、お互いの弱点を補い合う考え方が非常に効果的だと感じました。
本番で実感した暗譜併用の安心感
イベント当日のリハーサルで、該当曲を通して演奏する機会がありました。
「概ね良好!」
反面、「リハ順調で、次(本番)がヤバいかも、、」という妙な不安があります。
本番で一瞬嫌な予感がありましたが、大きく脱落しなかったのは部分暗譜のお陰と考えます。
視線が譜面へ戻る時も正確に現在位置を把握できました。
まとめ
譜面は本番で最も頼りになる存在です。
しかし、スポーツ選手の引退理由に「動体視力の衰え」が度々指摘されるように、視覚の限界は考慮したいと思います。
要点の暗譜を併用すれば、読譜の精度が向上します。
私と同じように譜面を見失う経験がある方や、読譜に不安を感じている方は、ぜひ一度この練習方法を試してみてください。






