

自前アンプではない選択!常設設備を活用する
スタジオやライブハウスに自前のアンプヘッドを持ち込んで鳴らす音は、格別の高揚感があります。
私自身、ロックの代名詞とも言えるマーシャルの3チャンネル真空管アンプヘッド「TSL100」を10数年所有し、長きにわたりバンド活動の相棒として愛用してきました。適当にセッティングしても「あのマーシャルサウンド」が鳴る魅力は何物にも代えがたいものです。
現在、私はその相棒を手放し、「会場に常設されるアンプ」を拝借させて頂くスタイルへと切り替えました。「自前アンプ or 現地アンプ」をテーマに真空管アンプの維持の難しさや、現地機材の魅力、マーシャルの音作りについて、寄稿させて頂きます。
こだわりと手間の狭間で、、真空管アンプの甘い罠
ご自身で調整された機材で本番に臨む行為は最大の喜びです。
私も「TSL100」を先輩にご助言頂きながら回路をカスタムしたり、真空管の管理やメンテナンスで相棒を運用させて頂きました。

真空管アンプという特性上、「管理や維持に手間やコストがかかる」点は無視できません。手間の部分が機材の魅力でもありますが、トラブルには心折れる事もあります。
湿気が多い会場でライブを行った際に真空管を破損させてしまったことがありました。相当な修理費が発生したものです、、。移動の振動や環境変化にデリケートな真空管アンプは、常にトラブルと隣り合わせというリスクが存在する事を再確認しました。
常設アンプが良く鳴る?体験談
個人的に演奏活動の頻度が少し落ち着き、TSL100を演奏する機会が少なくなった頃、一つの転機を迎えました。ある会場で、常設アンプをお借りして演奏した時の事です。
抜群に抜けが良く、痛快な音がアンプから出力されます。「自前アンプこそ至高」と考えていた私にとって、この経験が自前アンプを手放す後押しとなりました。
ライブハウスやスタジオに設置されるアンプは、ある程度の使用頻度が確保されます。真空管は定期的に通電され、熱を入れ続けている個体の方が回路や真空管の状態を安定させる特性があります。数ヶ月に一度しか引っ張り出されない自前アンプより、日々プロのスタッフにメンテナンスされ、現役で鳴り続ける現場アンプの方が、コンディションが格段に良いケースもあります。

EQ「全開」から始める音作り
ライブハウスの常設アンプを活用する上で、課題になりうるのは「スムーズな音作り」です。私は以前に先輩からご教示頂いた手法を採用しております。
イコライザー(BASS、MIDDLE、TREBLE)を真ん中の「5(時計の12時位置)」から始めて足し引きする方も多いと思います。
私はマーシャルアンプに於いて、先ず「3つのEQをすべて10(全開)」に設定します。その状態からゲイン(歪み)とボリュームのバランスを先に作り、そこから不要な帯域のEQを「絞っていく」形でトーンを調整します。
アンプの鳴りに合わせて「削る」方向で調整する方が、迷いが少ない印象を持っております。
安心安全ルール、リハ後のノブ風景を「撮影」する
狙いの音が完成したら、本番を「安心安全」に迎えるためノブの設定(つまみの位置)をスマホのカメラで正確に撮影しましょう。

紙にメモした時代もありますが、現代は画像保存がスムーズな選択でしょう。他のバンドがアンプのツマミを動かしても、慌てる事はありません。
本番直前の転換時に暗いステージで焦ってセッティングするのはトラブルの元です。リハ時の正確な写真をスマホで確認しながら、ノブを同位置に戻してください。安心してステージに臨めることでしょう。
まとめ
かつて、「自前アンプを持ってこそ」という信念でした。維持管理の考慮、常設機材のクオリティ次第では、「現場アンプの拝借」がより良い選択となります。
自前アンプの維持やご運搬に疲労を感じている状況でしたら、一度、現場の常設アンプを試行しはいかがでしょうか?アンプ運用ご検討の参考になれば幸いです。






